ビットコインのマウントゴックス事件を振り返る。問題の論点とは。

ビットコインのマウントゴックス事件を振り返る。問題の論点とは。

ビットコイン最大のニュースと言えば、マウントゴックス事件でしょう。マウントゴックスは世界一のビットコイン取引量を誇る取引所でしたが、2014年に65万ビットコインと28億円を消失したとして破綻しました。マウントゴックス事件の論点を整理すると、4月から施行された改正資金決済法の重要性が理解できます。


マウントゴックス事件の詳細

360b / Shutterstock.com

マウントゴックスは2010年に設立した仮想通貨取引所です。東京渋谷に本社を置き、一時は世界一の取引量を誇る取引所になっていました。代表はマルク・カルプレスです。マウントゴックスは2014年に65万ビットコインと28億円を消失したとして破綻しました。当初はハッキングを受けて顧客資産が流失したと発表していましたが、実際ハッキングによって失われたのは一部で、大部分はカルプレスが横領していた可能性が高いことがわかりました。結果としてカルプレスは逮捕されています。

マウントゴックス事件の問題点

マウントゴックス事件を代表の暴走だけで片付けてはいけません。問題の論点は大きく2つあります。

1、ハッキングにより流失してしまうオンラインでビットコインを管理していた
2、ビットコインと預かり金を簡単に横領できてしまう管理体制

1番はオンライン上で大量のビットコインを管理していた問題です。取引所として売買や送金に対応するため、ある程度のビットコインはオンラインに置いておく必要がありますが、大部分はハッキングされないオフラインの環境で管理する必要があります。

2番目はビットコインや預かり金の管理体制です。いくら代表とは言え、簡単に横領できてしまう管理体制は脆弱すぎます。顧客の資産は会社の資産と分離して管理する、第三者による監査を入れるなどの体制が求められます。

これらは事業をする上で当たり前のようにも感じますが、行政による決まったルールなどはなく、カルプレスのような悪意ある人間がいれば横領などができてしまう環境だったと言えるでしょう。

改正資金決済法の施行

2017年4月から改正資金決済法が施行されました。マウントゴックス事件以降、行政や業界がルールを整備し、利用者を保護する環境が整いました。改正資金決済法はマウントゴックス事件の教訓を活かす内容となっています。主な内容は以下です。

・取引所を登録制にする
・財務的な要件の決定
・経営資産と顧客資産を分離を義務付ける
・監査を義務付ける

取引所を登録制にする

登録されていない事業者は仮想通貨交換業を行うことができなくなりました。登録事業者は金融庁のホームページで随時掲載される予定です。

財務的な要件の決定

取引所として登録を行うには、「資本金が1,000万円以上であること」と「純資産がマイナスでないこと」が条件になります。そこまで厳しい条件ではないため、参入を妨げない最低限のラインを設定したと言えるでしょう。

経営資産と顧客資産を分離を義務付ける

利用者にとって最も関心が高いことです。これによりマウントゴックスのような急に資産が消失するといった可能性は小さくなりました。具体的には利用者財産専用の銀行口座を作るか信託銀行などと信託契約を行うことが求められます。

監査を義務付ける

監査法人や公認会計士による監査が義務付けられました。取引所は1年に1回内閣府へ報告書を提出することが義務化されます。

マウントゴックスが残したもの

マウントゴックス事件の影響で、大多数の人はビットコインなどの仮想通貨をマイナスから知ることになりました。未だに事件のイメージから、仮想通貨自体に悪い印象を持っている方は多いです。しかし、この事件は仮想通貨自体に問題があったわけではなく、取引所に問題があっただけです。ここはしっかり切り離して考える必要があります。

マウントゴックス事件により、取引所に関するルールが整備され利用者保護の仕組みが整ってきています。決して許されない事件ですが、マウントゴックス事件の結果、ルール整備に関する声が大きくなり現在に至ると言えるかもしれません。

関連するキーワード


Mt.Gox

関連する投稿


マウントゴックスの初公判。債権者への対応は?

マウントゴックスの初公判。債権者への対応は?

世界一のビットコイン取引量を誇る取引所であったマウントゴックスは、2014年に65万ビットコインと28億円を消失したとして破綻しました。代表のマルク・カルプレス被告は業務上横領などの罪に問われており、7月11日に初公判が行われました。


ビットコイン(仮想通貨)は詐欺?Mt.Goxの破綻も影響している?

ビットコイン(仮想通貨)は詐欺?Mt.Goxの破綻も影響している?

ビットコインに代表される仮想通貨の取引が活発化してきています。人気が出ると付き物になるのが詐欺です。実際に巧妙な嘘で投資を誘い詐欺被害に合う人も出てきています。こうした詐欺は以ての外ですが、ビットコイン自体の仕組みをあまり理解できておらず、詐欺だと決めているケースもあります。


最新の投稿


アルトコインの短期売買に適した取引所は?

アルトコインの短期売買に適した取引所は?

ビットコイン以外の仮想通貨を総称してアルトコインと呼びます。日本では15種類程のアルトコインを取引することが可能です。ただ、アルトコインの短期売買に適した取引所はそれ程多くなく、取引所ごとの特徴を知ることが重要です。


ヒロセ通商がライオンコインを設立。仮想通貨取引所参入へ

ヒロセ通商がライオンコインを設立。仮想通貨取引所参入へ

FX取引大手のヒロセ通商が、2018年2月上旬にライオンコイン株式会社を設立し、仮想通貨取引事業に参入することを発表しました。事業開始日は決まっていませんが、2019年3月までにサービスを開始する予定です。


【2018年1月17日】暴落した仮想通貨相場。ビットコインは一時100万円割れ

【2018年1月17日】暴落した仮想通貨相場。ビットコインは一時100万円割れ

仮想通貨相場は数日前から下落していましたが、昨日30%前後の暴落をし、本日1月17日も30%以上価格を下げています。ビットコインは一時100万円を割り込み、アルトコインも総崩れです。仮想通貨全体の時価総額は50兆円を割り、ピーク時から30兆円以上縮小しています。


三菱東京UFJ銀行、「MUFGコイン」活用のハッカソンを開催

三菱東京UFJ銀行、「MUFGコイン」活用のハッカソンを開催

三菱東京UFJ銀行は、「デジタル通貨で生まれる新たな世界」をテーマとしたハッカソン「Fintech Challenge 2018-Color the world, color your life #MUFGCOIN-」を開催することを決定し、1月15日より一般募集を開始しました。


仮想通貨相場が暴落。中国人民銀行副総裁の発言がきっかけか

仮想通貨相場が暴落。中国人民銀行副総裁の発言がきっかけか

2018年1月16日夕方から、仮想通貨相場が暴落しています。ビットコインは20%程、主要なアルトコインは30%前後下落している状況です。ロイターが報じた中国人民銀行副総裁の仮想通貨の取引所取引や個人・企業が提供する仮想通貨関連サービスを禁止すべきとの見解がきっかけになっているかもしれません。


ビットコイン取引高日本一の仮想通貨取引所 coincheck bitcoin