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6月20日に「世界の51事例から予見する ブロックチェーン×エネルギービジネス」を出版したRAUL株式会社の江田健二氏にインタビューを行いました。ブロックチェーン×エネルギービジネスの現状や今後の展望について語って頂きました。

Q.日本のエネルギー業界は大きな変化の渦中にあると聞きました。

はい、日本のエネルギー業界について知るには、電気の「発電」「送電」「売電」の3つの領域に分けて考えるのがわかりやすいです。

「発電」領域では、分散型発電がキーワードになっています。政府が2030年に再生可能エネルギーの比率を22%以上にする目標を掲げているためです。2012年から始まった再生可能エネルギーの固定価格買取制度が太陽光などの普及を後押ししています。しかし、固定価格買取制度は2019年問題を抱えています。電力の買取制度自体は、2009年から始まった制度ですが、期限が10年間なので、余った電気をこれまでのように高い価格で電力会社に買い取ってもらえない家庭が急増するのです。2019年は約200万世帯が対象になります。

「送電」領域も大きな変化があります。電気を安全に届けるには、電線の保守・点検・整備が欠かせません。しかし、電気を利用する人が減ってしまった地域では、発電所から電気を届ける電線の維持費を電線の利用料金では補えなくなってきています。この問題は人口減少も大きく関係していますが、分散型発電の増加も電線の利用率低下に影響するのです。

最後に「売電」領域です。2016年4月に電力の小売りを全面自由化しました。これにより、私たちは電力会社を自由に選べるようになりました。さらに2017年にはガス自由化も実施されています。しかし、自由化に伴い電力小売り事業者は400社程に増加、競争が激化しています。今後10年間程で淘汰が進むでしょう。料金の値下げは限界があるため、付加価値を提供できる企業が生き残ると考えています。

Q.なるほど、大きな転換点にあると言えそうですね。ブロックチェーンはエネルギービジネスと相性が良いとお聞きました。

はい、現在ブロックチェーン活用を最も進めている業界は金融です。金融業界の競争力は、お金の数値情報をいかに効率的に管理して共有できるかにあります。加えて、金融業界は規制が多く参入障壁が高いです。したがって、業務の効率化や新しいサービスの開発などの余地があります。エネルギー業界は、「情報の共有・管理が競争力」「規制が多く参入障壁が高い」という2点において金融業界と似ているのです。つまり、情報の効率化を図れるブロックチェーンとの親和性が高いと言えます。

Q.具体的にブロックチェーンのどのような活用が考えられるのでしょうか?

大きく3つあります。

一つが「離れた場所にいる個人同士の直接取引」です。個人間での電気の売買や外出先で電気を購入することが実現します。販売者も購入者もどれだけ電気の売買が行われたかをブロックチェーンを使った仕組みで正確に把握できるからです。

二つが「契約提携の効率化や契約に基づく業務の自動化(スマートコントラクト)」です。業務が効率化することでコストが下がり、電気代が下がることに繋がります。

三つが「自分たちで証明書や権利書が作成できる」ことです。最近、太陽光や風力発電所の売買が盛んになりつつありますが、買収価格を決定するにはこれまでの発電実績や故障実績の確認が必要です。売り手の情報だけでは不十分なため、第三者に依頼して調査をしてもらうことが一般的になります。もし、過去の発電や故障の記録がブロックチェーンに記録されていれば第三者を介する必要がなく、スムーズに交渉が行えるようになります。

Q.エネルギービジネスにおけるブロックチェーン活用の課題はありますか?

拡張性、データプライバシー、インターネット依存などブロックチェーン特有の課題は当然ありますが、エネルギービジネス特有の壁もあります。

一つが規制・ルールです。エネルギーは重要な社会インフラのため、多くの細かな規制やルールが存在します。ブロックチェーン活用により現実化するであろう電気の個人間売買も日本では認められていません。つまり、ブロックチェーン活用が進んでも法律を変えなければ進まないのです。

二つが自己矛盾です。ご存知の通り、ブロックチェーンを維持していくには大量の電力を必要とします。マイニングと呼ばれるブロックチェーンを支える根本的な作業です。事実、全世界でマイニングを行うコンピューターが使用した電力は、159か国が1年間に使う電力量を上回ったという報告もあり、エネルギーの最適化のためにブロックチェーンを活用することは矛盾しているのではということです。

三つが心の壁です。ある調査によると人々が電気について考えるのは、請求書を見るときだけで、1ヶ月に1分程度といいます。つまり、ブロックチェーンを活用することで、生活が便利になるなど明確なメリットがない限り、あまり重要な話ではないのです。

インタビューを終えて

エネルギービジネスはブロックチェーンと非常に相性が良いことがわかりました。ブロックチェーン活用のメリットをいかに訴求できるかが普及のポイントとなるかもしれません。壁はありますが、超えられると思いますし、そうなると期待したいです。

<Amazon>世界の51事例から予見する ブロックチェーン×エネルギービジネス

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この記事を書いた人:編集部

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