仮想通貨の相場は大きく変動する場合がございます。また、レバレッジ取引を行う場合は投資額を上回る損失が生じる可能性がございます。

先日開催された各国首脳陣が揃う国際会合であるG20においては、仮想通貨が初めて議題に上がることで注目されました。先行き不透明感の緩和からBTC/JPYは100万円近辺まで値を戻したものの、明確な買いの材料のなさから現在は反発前の77万円を割っています。

目次

  • 反発したもののトレンド転換せず
  • G20の収穫
  • 実需取引がトレンド転換のポイント

反発したもののトレンド転換せず

開催前から各国首脳陣が仮想通貨への規制を呼び掛けていたため、今回のG20では仮想通貨に対して厳格なルールが設定されるのではないかという憶測がリスク回避の売りを誘い、BTC/JPYは一時77万円まで下落をしました。このため、実際に会合で取り決められた内容が少し拍子抜けというべきか、思いのほか表面的であった事を好感し、77万円からは反発。しかしながら仮想通貨そのものを推進するという決定ではないため、何か明確に買いの材料があったわけではありません。このため100万円に近づくと見られたものの、上昇トレンドに転換することはなく反発前の77万円を割っています。

G20の収穫

主要メディアはG20が規制の網掛けに向かうという報道で持ちきりでしたが、これは用意された台本の様で表面的な内容が多い印象を受けました。筆者はまた別の観点でこの報道を見ています。

そもそも今回のG20の屋台骨は
①参加国で保護主義と闘い続ける
②仮想通貨は未だに問題があるが、金融を発展させる技術である
③次回までに仮想通貨の規制を行う準備をする
という協調的な意思表明でした。

これを規制するという方向性で一致した、と見るのはやや乱暴な推論な気がします。

その反対に、仮想通貨に関して世界各国で足並みを揃えて普及しよう、というメッセージがこの3つのポイントから読み取れないでしょうか。③は取引規制ではなく資金洗浄対策であると明言されていますし、また①の全体テーマである保護主義への対抗という意味合いと組み合わせて考えれば、開発競争・抜け駆け競争にならないように次回の会合までに勝手に各国でルール作りをするな、という牽制に取る事ができます。それに加えて②の金融を発展させる技術であるという一文を添えれば、まさに世界各国で平等に使える何らかのシステムにしていこう、という協同的・前向きな姿勢がここから伺えます。仮想通貨に対してネガティブなニュアンスは読み取れません。

さらに「仮想通貨は通貨ではなく暗号資産である」という見解が示された事は、(国と国の会合であるG20でそもそも法定通貨以外の交換手段を認める危険は冒せないという大前提を鑑みれば、)世界各国がブロックチェーンと仮想通貨を避けられない新技術と認め、最大限譲歩したというのが本音ではないでしょうか。資産であると宣言したことで、流動的に使う事(トレードする事)、金融商品化する事(先物・デリバティブ取引等の投資ビジネスを作る事)、運用する事に違法性が無いと、世界が認めた形になるからです。

金融機関と投資家は「暗号資産として」仮想通貨なら投資してもいいよ、というメッセージが込められています。詐欺である、こんなの無価値であると批判された半年前と比べて、大きな前進ではないでしょうか。

実需取引がトレンド転換のポイント

それでは、BTC/JPYが再び200万円を目指す上昇軌道に乗るためには何が材料になるのでしょうか。

仮想通貨の取引総額は、取引人口×取引回数×取引単価に分解できます。取引回数に関してはまだまだ上昇の余地があると見ています。その取引回数はどのように増やせば良いのでしょうか。昨年、仮想通貨証拠金取引が普及した影響で(取引回数と取引単価が増え)市場は大きく飛躍しましたが、別の方法があるのでしょうか。

そのポイントとなるのが、実需取引でしょう。今回の規制案を受け市場の安心感が広がったと言えそうですが、実取引がなければルール作りを想定するための利用シーンが連想できず、どのように消費者保護を行えばいいのか、たたき台が作れないためです。まさに今、実需の拡充を議論する必要性に迫られていて、ベストのタイミングであると言えそうです。

したがって本年度のキーポイントに挙げたとおり、これから実需関連の取引で前進が見られるかどうかがポイントになりそうです。目先のニュースとしては、6月以降Googleが仮想通貨関連の広告を出稿禁止にすると決定したほか、Twitter、Facebookも同様の発表をしている事が相場の重しとなっていますが、実用関連のニュースが増えていけば仮想通貨へのスタンスも次第に変化していくものと思われます。そこがカーブポイントになりそうです。

チャートを見ると、100万円の心理的節目と昨年から続く下落トレンドを明確に突破できるかがポイントです。ここを抜けた直後に一時下落するかもしれませんが、押し目をつけた時に買いの圧力を確認できたら、少しずつ買いに転換していく投資家が多いでしょう。

思い出せば昨年4月には改正資金決済法が導入され仮想通貨取引は多くの方に知られる様になりました。それから1年。4月は新年度のため、また大きなサプライズがあるかもしれません。

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【執筆者】
河田 西欧(カワダ サイオウ)
トレイダーズ証券市場部ディーリング課
スイス・ジュネーブ生まれ。慶應義塾大学卒。
世界各国を旅した経験から実体験に根ざしたファンメンタルズ分析は説得力がある。
学生時に学んだ行動経済学を活かし、市場参加者の心理的バイアスを理論的に分析しトレードに活かす。
趣味は将棋でアマ高段者の腕前。中盤の駆け引きは相場の次の一手を読む時にも活かしている。
「大衆は常に間違っている」が信条。

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この記事を書いた人:河田西欧

河田西欧

トレイダーズ証券市場部ディーリング課 スイス・ジュネーブ生まれ。慶應義塾大学卒。 世界各国を旅した経験から実体験に根ざしたファンメンタルズ分析は説得力がある。学生時に学んだ行動経済学を活かし、市場参加者の心理的バイアスを理論的に分析しトレードに活かす。 趣味は将棋でアマ高段者の腕前。中盤の駆け引きは相場の次の一手を読む時にも活かしている。「大衆は常に間違っている」が信条。

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