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2回目となる現役ディーラーによるBTCレポートをお届けします。8月から価格が急上昇したBTCですが、大相場入りとなるのでしょうか。BTCは8月1日の分裂を経て再び上昇に転じました。中国のマイニングプールにより誕生したBCHの需要がそれほど伸びず、BTCに換金する動きから一気に390,000円台まで突入しました。

目次

  • 今週の上昇は換金売りが主体
  • BTCは上昇トレンドが基本
  • 上昇ペースは指数関数的
  • BTCはITセクターへの投資?
  • 今週のまとめ

今週の上昇は換金売りが主体

分裂後、BCHへの期待感剥落からBTCへ資金が流入し、8月5日には一気に過去最高値を更新し370,000円に乗せました。なお、BCHとBTCの時価総額の推移を比較すると今回の上昇は換金の影響でほぼ説明できる水準にとどまり、新たに取引参加者が増えたというわけではなさそうです。

しかしながら4月-5月の上昇局面を振り返ると、この上昇がカンフル剤となり新たにBTC相場への投資家の参入が期待できるため、これを機に本格的な上昇トレンド入りが見えてくるのではないかと思っています。現在の上昇はまだ前半に過ぎないと見ています。

BTC価格の上昇はあまりにも急速なため、買いのタイミングを逃し押し目買い需要が厚くなるのが1つのポイントです。現在は400,000円を見据え小幅な調整に入っていますが、一度400,000円を超えれば上昇が加速するかもしれません。

小幅な調整を挟みつつ500,000円近辺を目指していくのではないでしょうか。

BTCは上昇トレンドが基本

BTCは長期的な上昇トレンドが基本だと筆者は考えています。

仮想通貨と名がつくため混同しがちですが、BTCはFXより株式投資に性質が似ています。というのも、株式投資では投資家がリスクプレミアムを要求するため上昇トレンドが示現しやすいからです。

BTCの最大の魅力は決済手段としての利便性だと考えています。最近では仮想通貨での資金調達(ICO)などもあり実用手段が多角化していますが、これらはあくまで副次的で、小額決済や国際送金などの決済手段が簡素化される期待がBTCへの資金流入を支えている事に変わりありません。

BTCをデジタルゴールドや法定通貨の補完物とする議論もありますが、上記の点でBTCには付加価値が明確に存在するため、インフレ対策や価値の貯蔵手段にとどまらず、ハイリスク・ハイリターンのハイテク事業投資だと捉える方が妥当でしょう。実際、BTC価格が上昇すると仮想通貨事業への参入メリットが高まりますし、これは為替ではなく直接金融に近いと考えています。

上昇ペースは指数関数的

このような背景から今後も上昇トレンドを辿りそうなBTC相場ではありますが、BTCの相場予測が難しい一因としてテクニカル分析が当てはまりにくい点が挙げられます。やや心もとない気もしますが、小難しく考えずともシンプルに原理原則に立ち返れば価格変動の仕組みが容易に理解できます。

先ほど述べたようにBTCの付加価値は決済手段としての利便性が第一にあります。加えて2100万BTCの発行上限が存在するため、例えばBTCを持ちたい人が2倍になれば価格が2倍になるという需給の論理が成り立ちます。この保有需要ですが、BTC保有人数と1人あたりBTCを利用する頻度の2つの変数に分解でき、それぞれへの期待感が持続的に上昇しているため、価格が指数関数的に上昇していると考えられます。

もちろん仮にBTCの発行上限が撤廃されるようなことがあったり、多くの方がBTCを既に保有している状況であったりするのであればこのような議論は当てはまらないでしょう。しかしながら、2017年6月時点でのマネックス証券のリサーチによれば、日米の投資家で既に仮想通貨に投資しているのは3%程度とされており依然として上昇余地はありそうです。

多くのテクニカル分析はレンジ相場や線形的(同じペースで上がり続ける)な上昇トレンド相場を前提としているため、BTC相場にはイマイチ有効ではないわけです。

ただし、筆者はBTCの下落局面に関してはテクニカル分析が役に立つと考えています。多くが仕掛け的な調整なので底値が分かりやすいからです。しかしながら上昇局面ではテクニカルに頼らず、現在のような相場では逆張りを狙わずに素直にトレンドフォローするのが良いでしょう。

BTCはITセクターへの投資?

上記を踏まえると、今後のBTCは米国株式のハイテクセクターと似たような価格推移をする可能性が高いと考えています。その類似点としては、下記が挙げられます

・急速な上昇と調整を繰り返す
・期待感と失望感に価格が影響されるため割高感が測りにくい
・上昇ペースが極めて速い

実際、BTCの価格推移を説明する際に、マイニングに必要とされる半導体を生産しているNVIDIA株との相関やムーアの法則を参考にする向きもあります。これらの経験則が疑似相関(因果関係がなくただ似た価格推移をしているだけ)であったとしても、機関投資家は「BTCに投資する口実」を欲しているため、いずれこれらのアイデアが仮想通貨マーケットに織り込まれる可能性もないとは言えないでしょう。

価格推移を分析する際には、ハイテクセクター銘柄などと比較してみると面白いかもしれません。

今週のまとめ

今週のポイントをまとめます

・BTCの上昇は指数関数
・上昇局面ではテクニカルには頼らずトレンドフォロー
・BTC価格はハイテクセクターと性質が近い

BTCはリスクの高い投資対象です。投資の判断は自己責任で行いましょう。

仮想通貨取引|みんなのビットコイン

【執筆者】
河田 西欧(カワダ サイオウ)
トレイダーズ証券市場部ディーリング課
スイス・ジュネーブ生まれ。慶應義塾大学卒。
世界各国を旅した経験から実体験に根ざしたファンメンタルズ分析は説得力がある。
学生時に学んだ行動経済学を活かし、市場参加者の心理的バイアスを理論的に分析しトレードに活かす。
趣味は将棋でアマ高段者の腕前。中盤の駆け引きは相場の次の一手を読む時にも活かしている。
「大衆は常に間違っている」が信条。

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この記事を書いた人:河田西欧

河田西欧

トレイダーズ証券市場部ディーリング課 スイス・ジュネーブ生まれ。慶應義塾大学卒。 世界各国を旅した経験から実体験に根ざしたファンメンタルズ分析は説得力がある。学生時に学んだ行動経済学を活かし、市場参加者の心理的バイアスを理論的に分析しトレードに活かす。 趣味は将棋でアマ高段者の腕前。中盤の駆け引きは相場の次の一手を読む時にも活かしている。「大衆は常に間違っている」が信条。

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